
大人の流儀
大人の流儀 伊集院静著。
遂に念願の(?)同書を読んだ。
「大人の流儀」という大層なタイトルではありますが、中身は至って頑固オヤジの戯言的なもの。(失礼)
でもいいんです。偏っているんです。そんなの重々分かっているのですよ。
ま、それが伊集院静氏の魅力でもありましょう。
そう、ある人が言います。赤提灯で呑んだくれたオヤジの説教を聞いているかのような内容だ…と。上手い。
読んでいて「伊集院さん、そりゃ社会では通用しないよ」と突っ込みたくなる個所が目白押しではありますが、でもね、時折素晴らしい名言を吐く。
どんな生き方をしても人間には必ず苦節が一、二度むこうからやってくる。そんな時、酒は友となる(抜粋)
これは書いていいのか分からないけど(って書くけどさ)、同書の最後に前妻の故夏目雅子さんについて氏が初めて書いた章がある。
なんかね、最後まで読んで思ったのは、ここに至るまでの全ての文章はあくまでも前座で、しかも最後があまりにも感動的な章なので、氏の照れ隠しというか、それで必要以上に偏った、呑んだくれオヤジの説教のような内容にしたのかなと。(勝手な想像ですが)
氏が雅子さんについて書くにあたって、事前に現在の妻である篠ひろ子さんに相談したそうです。
ひろ子さんは一言「いいじゃありませんか」と言ってくれたとのこと。(ま、それくらいの器がないと氏の妻は務まらないでしょう)
そしてラスト。氏が数年前に観たという映画の中でのチェチェンの老婆の台詞を引用して、「あなたはまだ若いから知らないでしょうが、哀しみには終わりがあるのよ」の言葉で締めた。
氏にとって最愛の妻との分かれというのはやはり耐え難いものだったのでしょう。そして25年の歳月を経てようやく文章にして書くことが出来るようになったと言っている。
同書には酒・煙草・ギャンブルというキーワードの他に、様々な登場人物が出てくる。いずれも氏が世話になった方々だと窺える。
最愛の妻の死を乗り越え今も生きて来られたのは、そんな周りの皆のお陰だと言っているかのように感じた。
同書の続編である「続 大人の流儀」も是非読んでみたいと思います。
東京都足立区
| 2012/05/15 11:49

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